KAE’S ROOM藤森香衣がお答えします

ハート
「若くしてがんになった私は、結婚を諦めた方が良いのでしょうか」34才のサバイバーです。私は地方に住んでいるせいか、周りに同世代のサバイバーらしき人がいないので、同世代の女性がどのように治療後に過ごしているかを聞けるお友達がいません。病気になったことは周りに話してはいますが、「私が不安に思っていること」は話せずにいます。それは、恋愛や結婚についてです。ただでさえ、婚活などについて焦る年齢なんですが、もし、これから彼氏ができた時、「病気についてどう話すか」や、妊娠の可能性など…受け入れて貰えるのかなどを考えると眠れなくなってしまいます。藤森さんや、周りのサバイバーの方たちは、どうしていらっしゃいますか。(話しづらい質問を聞いて、ごめんなさい)

「結婚はご縁だとつくづく思っています」

 

貴重な質問、ありがとうございます。でも、謝らないで下さい。笑
実は、とってもとっても良く聞かれる質問の一つです。
結論から申し上げますと、がんを経験した後、知り合った方と結婚する人はしますし、
妊娠・出産している方もいます!
つまり、人それぞれの、ご縁次第なのではないでしょうか。

 

今までは、病院などで語られることは治療法や、術後の容姿のケアなどがメインだったため、
そうしたAYA世代が抱えている、その後の人生に関する悩みについての統計については、あまりないのが現状です。

 

そのため、以前「がんサバイバーの恋愛、結婚、出産」についてのトークイベントに
登壇させて頂きましたが、100名の席がすぐに満席になってしまい、
サバイバーの皆さんが抱える問題として重要なのだと強く感じました。

 

私は(病気をしたからとかではなく)気づいたら結婚経験がなく、今に至っているので、
今回は、乳がんサバイバーのお友達の本をご紹介致します。


 

認定NPO法人マギーズ東京 共同代表理事である、鈴木美穂さん

「もし すべてのことに意味があるなら」(ダイヤモンド社)


 

白戸ミフルさん

「乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話」(キノブックス)


 

美穂ちゃんは24才でステージ3、ミフルさんは35才でステージ4の乳がんを告知された、乳がんサバイバーです。
(ちなみに私は、35才でしこりを見つけ、36才で告知されました。)

 

それぞれ「若い女性が告知をされた時、どうなるのか」「女性としての葛藤」
そして「そこからどう立ち上がって行ったか」本音で(赤裸々に)書いてくれています。
もちろん、彼女たちのように強くなれない…と言う方もいると思いますが、
強くならなくたって良いと思います。
私が皆さんにして欲しいことはただ一つ、ご自身の人生をまず、認めてあげてください。

 

たとえ色んなことが、病気になる前と違ってしまったとしても、あなたの37兆個の細胞は
あなたのために休まず働き続けてくれていて、あなたの目は今、私のこの文章を見て読み、
その情報を受け取った脳と心は、理解しようとしてくれている。
『何かをできる』という今の体でいられること、全部、スゴイのです!

 

病気で失ったものは(胸だけでなく)私にも色々ありますが、
私たちは生きて、こうしてご縁が繋がっていくんです。
だから恐れず、「あなたが思う、あなたの人生を あなたの体と共に」生きて下さい。

 

たまに、同性同士であったとしても、悪気なく言われる言葉に、傷つくこともあると思います。
特に、年齢・結婚・出産については「ねぇ、どうするの?」と、ズケズケズケズケ…笑
容赦なく集中砲火を浴びせられると思いますが、60%はただの興味か暇つぶしで
聞いているだけなので、気にしなくて大丈夫です。
どう生きるかを決めるのは、あなたにしかできませんし、他人の目を気にして焦って何かを決めたところで、
その人生の責任は誰もとってくれないのが世の中です。
周囲や友達の「どうするの?攻撃」で眉間にシワを刻むぐらいなら、笑顔でいましょう!

 

結婚したサバイバーだって、ちゃんといます
サバイバーで結婚した人に、旦那さんはどんな人かなどを聞くと、 病気でのつらい経験や日々を称えてくれ、
全てを受け止めて愛してくれる人が多いようです。
元から男友達の一人だった方と結婚した人もいれば、病気の後に知り合ってから…と、
様々であり、馴れ初めは健康な婚活女子と変わらないんだなと思います。

 

【病気のことを理解してくれる男性】という条件でお見合いしたサバイバーの女性
「人より先に苦労をしたけど、本当の意味で人生を一緒に歩める相手と巡り合えて、幸せだ」
と言っていました。
難しいと言われていたのに、妊娠、出産した方もいますし、
「二人で幸せなら、僕はそれでいい」と旦那さんが言ってくれて、仲良しで過ごすご夫婦もいます。

 

人生は、分からないことだらけだから面白いんです。
きっと私もあなたも、それぞれのご縁が、地球のどこかにありますよ。

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