KAE’S ROOM藤森香衣がお答えします

ハート
同い年の友達(33才・独身)が先日、乳がんの告知をされました。とても落ち込む彼女に、何をしてあげたらいいか分かりません。 私は乳がんの知識が全くなく、35才以下で、がんになった人を「若年性(じゃくねんせい)」というのも、彼女から聞いて初めて知ったぐらいです。 毎日、悪いことばかり考えて、涙が出てしまいます。 藤森さん、私の友達と会って、話を聞いて頂けないでしょうか。

友達として、共に歩むということ

私は10年ほど前、友達から「医師から、心臓病を告知された」と打ち明けられました。
私を含めて、周りの人はとても心配になりましたが、みんなで真っ先に行ったことは、
「友人の【心臓病の種類と状態】を徹底的に勉強すること」でした。

一緒に闘うためには、その病気についての知識が無いと何もできません。
もちろん、それは患者さんへ
治療法について忠告したりするためではなく、“共に歩むための知識”です。

何も知らないという状態は、全てを不安にさせますが、病気への知識は患者さんにとっても、
あなた自身にとっても必要不可欠であり、お医者さんが何を言っているかを理解し、
今後の治療法や生き方を選択していくための材料になります。

あなたが、私とお友達を会わせたいというお気持ちは恐らく、
「経験者から話を聞くことで、安心させてあげたい」という優しさからだと思います。
しかし、同じ乳がんであっても、色々なタイプがありますし、手術のやり方も、治療法も違います。
さらに年齢、生活環境、価値観、家族構成…なども含めると、
全く同じという人はいないんです。

若年性の方は、患者さんの中では全体的に人数が少ないのと、周りに言わずに治療している方も多いため、
なかなか同年代の患者さんに巡り合うことは少ないかも知れません。

また、脱毛、肌の色の変化、体調の変化や、恋愛、結婚、妊娠、出産、仕事…など、
若い患者さんであるほど抱える悩みは多いのも現状です。

サバイバーにとって、何より支えになるのは「孤独ではないと強く思えること」です。
特に、アラサー、アラフォーの女性は、病気になることで自尊心さえ奪われてしまいます。
私がNPOを立ち上げたのは、そうした女性や、
あなたのように周りで支える全ての方のための役に立ちたいと思ったからです。

そして、C-ribbonsの「C」はCancer(がん)、Care(ケア)、Cure(治癒、解決する)と言った意味であり、
ribbon“s”と複数形にしたのは、私たちの団体だけでは出来ないことを他の団体と連携し、
社会貢献活動を行う…という思いを込めています。

私が会って話を聞くより、きっと以下の団体など、
お友達に必要な情報を発信している方は沢山います。

お友達は、これから治療をしていく上で、色々な悩みが出てくると思います。
「こういうのがあるよ」とお友達に情報を提供するだけでも、
気持ちが少しでも前向きになれるかも知れません。

自分のことを思っていてくれていると分かるだけで、サバイバーはとても救われますし、
それが、友達として、共に歩むということではないでしょうか。
 
 

Pink Ring(ピンクリング)
 35才以下で乳がんを発症した、若年性乳がん経験者をサポートする患者支援団体。
 同世代の仲間と出会い、若年性乳がん特有の悩みや不安を共有しあえるような支援を行っている。

Peer Ring(ピアリング)
 女性のがんサバイバーを対象とした、コミュニティ型SNS。
 アプリで患者さんの生の声を知ることができたり、質問をすることができる。

Copyright2016 © NPO法人C-ribbons(シーリボンズ) All rights reserved.