KAE’S ROOM藤森香衣がお答えします

ハート
病気になることが、とても怖いです

40代女性です。友人が、数年前に乳がんの手術をしてから、がんが怖く、 ニュースなどがあるたび、人よりも敏感に反応するようになってしまいました。
新型コロナウィルスで更に病気になることが怖く、高齢の両親のことも心配で、 毎日、不安感があり、気持ちも塞ぎこんでいます。
香衣さんは不安になったりしませんか。私はまだ健康なのに、こんな相談ですみません。

“不安のモト”は、自分でしっかり把握することが大事です

今年は本当に、世界中の人々にとって、想像しなかったような事だらけですね。 外出できなかったり、友達とも会えない日々は苦しく、未来の希望さえ奪われたような 気持ちになった方も多いと思います。

私も含めて、万が一起きるような事を人間は普段、考えないようにしています。 「交通事故にあったらどうしよう」「火災が起きたらどうしよう」などを考え続けていたら 恐怖で、まともに生きていかれないからです。 けれども、コロナはそうした“考えないようにしている怖いこと”を私たちの頭と心に、 べっとりと貼り付けてしまいました。 連日、テレビやネットで【コロナは死ぬ、恐ろしいもの】という刷り込みをされたのも、 恐怖心に拍車がかかってしまった気がします。

「病気になるという現実が怖い」

私が、乳がんになった時、すごく感じたのは「病気は全てを一瞬で奪う」ということでした。 人は、何をするにも「健康である状態」を基準に将来を考えたり、行動したりします。 ご飯を食べる、仕事をする、誰かと話す、旅行に行く… 病気というのは、その当たり前のことが、ほとんど出来なくなって、更には経済的(金銭面)にも影響を及ぼします。 (書いていても、これは不安になってしまいますね。)

手術した後、痛いだけでなく体力の低下もあり、「歩くって、こんなに難しい事なのか」とできない自分に驚きました。 駅に行くまでの道のりで、ほとんどの人が私を追い越していき、時には ぶつかりそうになる人もいて、悲しくなることが何度もありました。 苦しくない、どこも痛くないという状態は、実はすごい事なんだと、体の痛みを経験した人なら、誰でも思うと思います。

そうした経験をした私が、もし、 また、他のところが病気になったらどうしようって考えて、毎日、怖くて暮らせない」 と言ったら、どうでしょうか。

「せっかく手術をして、今は健康なら大丈夫だよ」と、大半の人はそう励ますはずですし あなたも、そう思うから私に相談してくれたんだと思います。 もちろん、私にも不安はあります。 でも、私はある時から“敵(不安や恐怖のモト)”を知ることが自分の安心になると気づいたんです。

「あなたの人生は、あなたのもので一度しかない」

では、なぜ人々が健康でいたいかというと、「人生を全うしたいから」ですよね。 多くの友が天国へ旅立つのを見送ってきたこともあり、 どんな人でも必ず、いつか死をむかえます。 絶対にくるかも知れない日のことばかり考えて、「死んじゃうかもしれない」と怯え、 せっかくの人生をつらいものにするのは、勿体ないと思うんです、本当に。

もちろん健康は必要ですが、体が健康であっても心も健康でなければダメなんです。 お金が不安なら、もっと稼げるように転職するとか、引っ越しするとか、 両親の事が心配なら、それを言葉で伝え、必要なら暮らし方も変える…など。 【自分は何を優先するか】と、【そのために何が必要か】を考えた上で生きることが大事だと、私は思います。 もちろん、人それぞれの考え方があるので、答えは一つではありません。

「自分で考えて行動する」

コロナで、私たちは新しい生活様式だけでなく、新しい価値観も必要になりました。 新しいことを受け入れるには、最初は負荷がかかりますが、実は子供の時には当たり前にしていることなんです。 大人になって、色々と面倒になっているんですが、 動くのがしんどい時は 「今日が一番若いんだから、年取った時の自分を心配するなら、若い頭で考えて 行動してあげる方が、自分のためだ」と、私は思うようにしています。笑

変化を恐れず、世の中の流れを合気道のように受け流す柔軟性を持って 自分の人生を少しでも楽しくしていきましょう。

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