FOR SURVIVORサバイバーインタビュー

ハート

子宮体がんになって今だから思うこと ② [松永 直]

闘病は本当に辛い。でも同時にたくさんの人が支えてくれて、まわりの人の存在に救われることがとても多い。

がんになって、FACEBOOKで病気であることを公表した。そしたら驚くほど、たくさんの応援メッセージをもらった。同じ「がん」を経験した人からもたくさん。中には、それまでがんを経験したということを知らずに接していた数名からも「実はね、がん経験者なの」という形でメッセージをもらった。身近に若い世代のがん患者があまりいなかった私にはそのメッセージにとても勇気づけられた。若くしてがんになってしまった自分は助からないのではないか?そんな気分でいっぱいだったから。私もまた元気になれるかも!とすごく励みになった。手術前夜にメッセージをくれたがんの先輩もいた。一人病室で涙しながら読んだ。

その後、手術して終了だと思っていたし、だいぶ手術の傷も癒えた頃に、抗がん剤をすることになって、さらには肺への転移が見つかってドン底になっていた時。家に届いた、若年性がん患者団体「STAND UP!」の冊子に載っていた、若いサバイバーさんたちの体験談が私を支えてくれた。肺に転移したってことはもう無理なんじゃないか?とかなり悲しみに打ちひしがれていた私だったけれど、そこに載っているみんなが克服して元気にやっているから私も!!と未来を向けるようになった。

このようにたくさんのがん経験者の先輩の存在が私を支えてくれた。

そして、母親、父親、祖父が気丈に振る舞ってくれたこと。私もできるだけ心配かけたくないから、軽い感じでがんになっちゃってね…と言ったからというのもあるかもしれないけれど、泣くこともなく、動揺することもなく、淡々と受け止めて応援してくれた。手術を迷っている時も抗がん剤を迷っている時も、何より私の命が大事だから一刻でも早く治療すればいいじゃない、と家族皆が背中を押してくれた。この冷静な対応がすごくありがたかった。

他にも友達が飲みに連れて付き合ってくれたり、抗がん剤の前にはおいしいお寿司を食べに行ったり。髪が抜けちゃうと温泉に行きづらくなる、でも手術後だから出掛けるのはちょっとしんどいと言ったら仕事が忙しい友人達が予定を合わせて都内でホテル女子会をしてくれた。

気遣ってくれるけど、普通に接してくれる、そんな何気ない態度が私の支えとなった。

だからもし、どうやって接したらいいかわからないと思っている人が身近にいたら、私は「普通」に接してあげてほしいと思う。普通のことを一緒にできることが一番の幸せだと私は思うから。その一瞬一瞬が大切で、一緒に過ごせるって本当に素晴らしいと思う。もちろん、たくさん笑わせてあげたり、優しくしてくれたり、話を聞いてくれたりしてくれてもうれしい。とにかく誰かがそばにいてくれること、シンプルだけどそれが何より力になると思う。
 

 

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